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2009年11月24日 (火)

醜い姿は見せられない

『続・猿の惑星』という映画に、人間の被り物をしたミュータントが登場する。
彼らはコバルト爆弾を神と崇め、その御前では「嘘偽り無い自分をナントカカントカ・・・」
という台詞と共に、被り物を脱ぐのだ。
映画の出来は正直言って残念だった記憶があるが、
「嘘偽り無い自分」というフレーズだけは、
なぜがずっと心に残ったままだった。
「嘘偽り無い自分」、それはとても大切な物のように聞こえるが、
果たして本当にそうなのだろうか。

先月の事だ。
初めて会う人と酒を飲む機会があった。
他愛も無い話をしているうちに、最近見た映画の話になったため、素直に
「『サマー・ウォーズ』です」と答えたところ、
アニメをよく見るのかという質問を返されてしまった。
自分ピンチ。
正直に「嘘偽り無い自分」を曝け出すか否か、一瞬悩んだ末、
「エ、エヴァンゲリオンとか・・・たまに・・・ロボット系が・・・」
と若干アウト気味な感じがしないでもない返答をしてしまった。
が、相手は心の広い人物だったらしく、
「ガンダムとか、皆好きですもんね~」と返してくれた。
「そう、そうね。ガンダムもね、たまにね。」とかなり苦しいながらも話しの流れに合わせ、
その場はやり過ごしたわけだが、「嘘偽り無い自分」はこう思っていた。

「エヴァとガンダム一緒にするんじゃね~。って言うかロボットと言えばゼーガ一択だろうが。
 それからアニメが好きかって質問だが、もう好きとか言うレベルじゃねーよ。
 朝3晩6がこの世界のノルマなんだよ!」

と、実際に口にしたら、
穴が無くても自分で掘って埋まりたいくらいの言葉が頭をめぐっていた。
だが、社会人としてはこれで良かったのだ。相手を不快にさせる発言は慎むべきなのだ。
それでも、その時はそこはかとない寂しさが尾を引いていた。

そしてまた別の機会。
上の人とは別の人物と飲む機会があり、今度はバイクの話しになった。
その人は九州出身だったため、ついあの話しをしてしまった。
僕:「僕、バイクで九州によく行きましたよ~」
相手:「本当ですか?どの辺に行ったんですか?」
僕:「種子島です」
相手:「種がしま・・?鹿児島の?なんでまた」
僕:「いや、ロケットを見に」
相手:「は?」
僕:「だからロケットを・・・」

といった具合に酒の勢いに任せてロケット話をブチかましてしまい、
会話は段々尻すぼみになってしまった。
結果的に(酒の力もあって)この会話で険悪な雰囲気になることは無く、
次の日話したところ、彼の中で僕は単なる「大きい物好き」に脳内補完されていた。
またしても相手のおおらかさに助けられたわけだが、
公共の場で「嘘偽り無い自分」を曝け出すのは、
どうやら止めておいた方が良さそうだ。

が、常に被り物をしていては、相手は自分の事を信用してくれない。
適度に自分を曝け出し、心を開いているかのように見せる事が
対人関係では重要なのでは無いだろうか。
つまり「嘘偽り無い自分という被り物をする」ことが出来るか否かという事だ。
かなり腹黒く計算高いように聞こえるが、誰しもそうして生きているのではないかと、
最近頓に思うのだ。

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